年中行事 広島市西区三滝のお寺「紫雲山 光照院 誓願寺」

法話集

笑顔の大切さ

2012年1月30日

東日本大震災によって日本列島から笑顔が消えた。今も避難生活や原発事故と悲しみは深い。

今から400年前の戦国時代に人々の心を笑顔にさせた説教僧がいた。
その名は安楽庵策伝。乱世の中で策伝はユーモラスな説教で民衆に生きる力を与えたのである。

現代は無縁社会とか、社会でも家庭でも笑顔が少なくなってしまった。
私の知るタクシー会社では笑顔の測定機を使って社員に教育している。経済不況が長引く中、企業も気付いたのである。
家庭でも人間関係が希薄になって会話が少なくなった。都会では近隣や地域のつながりがなくなり、笑顔が見えない。

大震災のような災害や人生の岐路には、戦国僧策伝のように、民衆の中で人間性にあふれた心の絆が笑顔をつくる大きな要因と言えよう。

中外日報 平成23年5月14日(土)掲載